Ch.6-1 誰も気にしない、誰も気にかけない、悲しい

前回のあらすじ
この章では、イーヨーの誕生日にイーヨーはプーとピグレットから2つのプレゼントをもらいます。

EEYORE, the old grey Donkey, stood by the side of the stream, and looked at himself in the water.
灰色のロバ、イーヨーは小川の側に立って水面に自分を写していました。

“Pathetic,” he said. s' That's what it is. Pathetic.”
「悲しい。その通り。悲しい。」彼は言いました。

He turned and walked slowly down the stream for twenty yards, splashed across it, and walked slowly back on the other side.
彼は向きを変えて、20ヤード小川を下って、水しぶきを上げて、反対側に歩いて行きました。

Then he looked at himself in the water again.
それからもう一度、水に自分を写しました。

“As I thought,” he said. “No better from this side. But nobody minds. Nobody cares. Pathetic, that's what it is.”
「思った通りだ。こっち側もおんなじだ。誰も気にしない。誰も気にかけない。悲しい。その通りだ。」

There was a crackling noise in the bracken behind him, and out came Pooh.
彼の後ろのわらびの中で、ぽきっ!という音がして、プーがやって来ました。

灰色のロバ、イーヨー 以下
【原文】では、Eeyore, the old grey Donkey となっています。「old」は「年老いた」という意味ではなく「親しみ」をこめて使っているものと思われます。
いつも孤独であることを嘆いている様子が伝わります。

"Good morning, Eeyore," said Pooh.
「おはよう、イーヨー。」プーは言いました。

"Good morning, Pooh Bear," said Eeyore gloomily. "If it is a good morning," he said. "Which I doubt," said he.
「おはよう、プー。」憂うつそうにイーヨーは言いました。「いい朝かどうか、疑わしいけどね。」

"Why, what's the matter?"
「なんで、どうしたの?」

"Nothing, Pooh Bear, nothing. We can't all, and some of us don't. That's all there is to it."
「何でもないよ、プー。何でもない。みんながそうとは限らない。そうでない人もいる。そういうもんさ。」

注)gloomily :ゆううつそうに
注)which I doubt :which(=good morning のこと)いい朝かどうかは疑わしい
注)what's the matter? :どうしたの?
注)That's all there is to it : ただそれだけのこと、とても簡単なこと

"Can't all what?" said Pooh, rubbing his nose.
「何がそうとは限らないの?」プーは鼻をこすりながら言いました。

"Gaiety. Song-and-dance. Here we go round the mulberry bush."
「愉快。歌や踊り、かごめ、かごめさ。」

注)rubbing his nose :鼻をこすりながら(分詞構文)

注)Gaiety : 愉快、お祭り騒ぎ
注)Here we go round the mulberry bush : (子供の童謡)かごめかごめ

"Oh!" said Pooh. He thought for a long time, and then asked, "What mulberry bush is that?"
「おう!」プーは長いこと考えて、尋ねました。「どんなかごめ?」

"Bon-hommy," went on Eeyore gloomily. "French word meaning bonhommy," he explained. "I'm not complaining, but There It Is."
「愛想さ。フランス語で愛想っていう単語。」イーヨーは憂うつそうに続けて、「不平を言ってるんじゃないけど、そんな次第さ。」と言いました。

注)bonhommy : bon homie(気さく、人のよさ)のこと 仏=good man
注)explain :説明する
注)complain :不平を言う
注)there it is : そんな次第だ

Pooh sat down on a large stone, and tried to think this out.
プーは大きな石に座って、このことを考えようとしました。

It sounded to him like a riddle,
それはなぞなぞのように聞こえました。

and he was never much good at riddles, being a Bear of Very Little Brain.
彼はあまり頭が良くないクマなので、なぞなぞが得意ではありませんでした。

So he sang Cottleston Pie instead:
だから、代わりに「コトルストン・パイ」を歌いました。

Cottleslon, Cottleston, Cottleston Pie.
コトルストン、コトルストン、コトルストン・パイ (Pie)

A fly can't bird, but a bird can fly.
ハエは鳥にはなれないけど、鳥は飛べる (fly)

Ask me a riddle and I reply:
なぞなぞを聞いて、ぼくが答えるから (reply)

“Cottleston, Cottleston, Cottleston Pie.”
コトルストン、コトルストン、コトルストン・パイ (Pie)

That was the first verse.
これが1番でした。

When he had finished it, Eeyore didn't actually say that he didn't like it, so Pooh very kindly sang the second verse to him:
彼が歌い終えたとき、イーヨーは好きではないとは言わなかったので、プーは2番を歌いました。

Cottleston, Cottleston, Cottleston Pie,
コトルストン、コトルストン、コトルストン・パイ (Pie)

A fish can't whistle and neither can I.
魚は口笛吹けないけど、ボクも吹けない (I)

Ask me a riddle and I reply:
なぞなぞを聞いて、ぼくが答えるから (reply)

“Cottleston, Cottleston, Cottleston Pie.”
コトルストン、コトルストン、コトルストン・パイ (Pie)

Eeyore still said nothing at all, so Pooh hummed the third verse quietly to himself:<
イーヨーはまだ何も言いませんでした。それでプーは3番を静かに歌いました。

Cottleston, Cottleston, Cottleston Pie,
コトルストン、コトルストン、コトルストン・パイ (Pie)

Why does a chicken, I don't know why.
どうしてニワトリは、ボクにはわからない (why)

Ask me a riddle and I reply:
なぞなぞを聞いて、ぼくが答えるから (reply)

“Cottleston, Cottleston, Cottleston Pie.”
コトルストン、コトルストン、コトルストン・パイ (Pie)

 


続きはこちらです。

 

 

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