Ch.8-6 「これが、ぼくらが探していたものなの?」

第8章 北極を探しに行くお話(6)

プーさんは長い棒を拾って、下流へ流されていくルーを何とかひっかけて助け出します...

 

(6)

しかし、プーはすでに何かを掴もうとしていました。

ルーのいる淀みより2つ先の淀みで、彼は手に長い棒を持って立っていました。

そしてカンガがやって来て、棒の先を取り、淀みの低い所に棒をかけ、
ルーは今だに自慢げに「ボクの泳ぎ見て。」とアップアップしながら言っていましたが、
その棒に引っかかり、ようやく小川を出ました。

"Did you see me swimming?" squeaked Roo excitedly, while Kanga scolded him and rubbed him down.
「ボクの泳ぎ見た?」ルーは興奮してかん高い声で言いました。一方、カンガは彼を叱りながら、彼を乾かしました

注)Did you see me swimming? :ボクが泳いでいるところを見た?

注)squeak :かん高い声で言う
注)excitedly :興奮して
注)while :一方
注)scold : 叱る
注)rub him down : 彼をこすって乾かす

"Pooh, did you see me swimming? That's called swimming, what I was doing. Rabbit, did you see what I was doing? Swimming. Hallo, Piglet! I say, Piglet! What do you think I was doing! Swimming! Christofer Robin, did you see me ー"
「プー、ボクの泳ぎ見た?あれが泳ぎだよ。ボクがしてたの。ラビット、ボクがしてたの見た?泳ぎだよ。やあ、ピグレット、ねえ、ピグレット!ボクは何をしてたと思う!泳ぎだよ!クリストファー・ロビン、見たー」

しかし、クリストファー・ロビンは聞いていませんでした。

彼はプーを見ていました。

"Pooh," he said, "where did you find that pole?"
「プー、どこでその棒見つけた?」彼は言いました。

プーは手に持っていた棒を見ました。

"I just found it," he said. "I thought it ought to be useful. I just picked up."
「見つけただけ。役に立つと思って、拾ったんだ。」彼は言いました。

"Pooh," said Christofer Robin solemly, "the Expedition is over. You have found the North Pole!"
「プー、「探検」は終わりだ。君が「北極」を見つけたんだよ。」クリストファー・ロビンは重々しく言いました。

注)I say :あのね、ほら
注)What do you think I was doing! :ボクが何をしていたと思う?(間接疑問文)

注)useful :役に立つ
注)pick up :拾いあげる
注)solemly : 重々しく
注)is over :終わる

"Oh!" said Pooh.
「おぅ!」プーは言いました。

みんながイーヨーの所に戻ると、彼はまだ水に尻尾をつけたまま座っていました。

"Tell Roo to be quick, somebody," he said. "My tail's getting cold. I don't want to mention it, but I just mention it. I don't want to complain but there it is. My tail's cold."
「誰か、ルーに急ぐように言ってよ。尻尾が冷たくなってるんだ。言いたくないけど、ちょっと言わせてもらうと。文句はいいたくないんだけど、そんな次第だ。尻尾が冷たいんだ。」彼は言いました。

注)mention : 言う、述べる
注)complain :不平を言う
注)there it is :そんな次第だ

"Oh!" said Pooh.

"Here I am!" squeaked Roo.
「ボクならここにいるよ。」ルーは高い声で言いました

"Oh, there you are."
「なんだ、そこにいたの。」

"Did you see me swimming?"
「ボクの泳ぎ見た?」

イーヨーは水から尻尾を引き上げて、左右に振り回しました。

"As I expected," he said. "Lost all feelingNumbed it. That's what it's done. Numbed it. Well, as long as nobody minds, I suppose it's all right."
思った通りだ感覚がないかじかんでる。そうなってしまった。かじかんでる。でも、誰も気にしないんだったら、大丈夫だと思う。」彼は言いました。

注)squeak :かん高い声で言う
注)as I expected :思った通り
注)Lost all feeling :すべての感覚をなくした
注)numb : 感覚を失くさせる、かじかむ
注)as long as nobody minds :誰も気にしないかぎり

"Poor old Eeyore. I'll dry it for you," said Christofer Robin, and he took out his handkerchief and rubbed it up.
「かわいそうなイーヨー。ボクが乾かしてあげるよ。」と、クリストファー・ロビンは言って、ハンカチを取り出し、尻尾を拭いてあげました

"Thank you, Christofer Robin. You're the only one who seems to understand about tails. They don't think ー that's what's the matter with some of these others. They've no imagination. A tail isn't a tail to them, it's just a Little Bit Extra at the back."
「ありがとう、クリストファー・ロビン。尻尾のことを理解しているのは君だけだ。彼らは考えていないー他の連中が問題なのはそこだよ。彼らには想像力がない。尻尾は彼らにとっては尻尾じゃなくて、ただ後ろに付いてるちょっとした余分なものなんだ。」

注)rub it up :それ(イーヨーの尻尾)を乾かす
注)that's what's the matter with some of these others :他の連中が問題なのはそこだ
注)imagination :想像力
注)a Little Bit Extra : ちょっとした余分なもの

"Never mind, Eeyore," said Christofer Robin, rubbing his hardest. "Is that better?"
「気にするなよ、イーヨー。良くなった?」クリストファー・ロビンは固くなっているところをこすりながら、言いました。

"It's feeling more like a tail perhaps. It Belongs again, if you know what I mean."
前より尻尾のように思えてきた、たぶん。尻尾に戻ってる。ボクの言うことを分かってくれるなら。」

"Hullo, Eeyore," said Pooh, coming up to them with his pole.
「やあ、イーヨー。」棒を持って近づいてきたプーが言いました。

"Hullo, Pooh. Thank you for asking, but I shall be able to use it again in a day or two."
「やあ、プー。気遣ってくれてありがとう。1日か2日すれば使えるようになるよ。」

注)his hardest : (かじかんで)固くなっているところ
注)feeling more like a tail :前より尻尾のように思えて
注)belong :あるべきところにある
注)be able to :~できる(=can)
注)in a day or two :1日か2日すれば

"Use what?" said Pooh.
「何が使えるの?」プーは言いました。

"What we are talking about."
「今、話してるものだよ。」

"I wasn't talking about anything," said Pooh, looking puzzled.
「ボクは何のことも話してないけど。」困った様子で、プーは言いました。

"My mistake again. I thought you were saying how sorry you were about my tail, being all numb, and could you do anything to help?"
「また、ボクのミスか。君はボクのすっかりかじかんでる尻尾のことを気の毒で、何か助けになるとがあるか、言ってるのかと思った。」

"No," said Pooh. "That wasn't me, " he said. He thought for a little and then suggested helpfully, "Perhaps it was somebody else."
「いや、それはボクじゃない。」彼は言いました。彼はしばらく考えて、救いになると思い、提案しました。「たぶん、他の誰かだろう。」

"Well, thank him for me when you see him."
「そうか、その誰かに会ったら、ありがとうと言っといてくれ。」

注)looking puzzled :困った様子で
注)being all numb :すっかりかじかんでる
注)suggested :提案する

プーは心配そうにクリストファー・ロビンを見ました。

"Pooh's found the North Pole," said Christofer Robin. "Isn't that lovely?"
「プーが北極を見つけたんだ。すごいだろう?」クリストファー・ロビンは言いました。

プーは控えめにうつむきました。

"Is that it?" said Eeyore.
「それがそうなの?」イーヨーは言いました。

"Yes," said Christofer Robin.
「そうだよ。」クリストファー・ロビンは言いました

"Is that what we were looking for?"
「それが、ぼくらが探していたものなの?」

"Yes," said Pooh.
「そうだよ。」プーは言いました。

"Oh!" said Eeyore. "Well, anyhow ー it didn't rain," he said.
「おぅ!あの、とにかくー雨は降らなかったね。」彼は言いました。

彼らは棒を地面にさして、クリストファー・ロビンはその上にメッセージをくくり付けました。

北極
プーによって発見される
プーがそれを見つけた

彼らは再び家に帰りました。私が思うに、はっきりしたことは分かりませんが、ルーは熱い風呂に入ってすぐに寝たことでしょう。しかしプーは家に帰って、自分がしたことを誇りに思いながら、ちょっと元気になるものを食べたんじゃないかな。

注)anyhow :とにかく

 

~終わり~