第5章 ピグレットがヘファランプに遭遇するお話
夜中に、おなかがすいて起きたプーさんは、ハチミツのツボをヘファランプの罠に置いてきたことを思い出します...
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ピグレットは TRESPASSERS W の自分の家に向い、プーは寝る準備をしました。
数時間後、夜がふけ始めると、プーは突然沈み込むような感じで目を覚ましました。
以前にもこういう感じを持ったことがありました。
彼はそれがどういう意味か分かっていました。
つまり、腹が減ってるってことです。
そこで彼は戸棚に行き、椅子に乗って、1番上の棚に手を伸ばしました。
でもー何もありませんでした。
“That’s funny,” he thought. “I know I had a jar of honey there. A full jar, full of honey right up to the top, and it had HUNNY written on it, so that I should know it was honey. That’s very funny.”
「おかしい。ハチミツのツボがあったはずなのに。ハチミツが一番上までいっぱい入っていて、ハチミツだとわかるように『ハチミツ』って書いておいた。おかしい。」
それから彼は行ったり来たりしながら、どこに行ったのだろうとぶつぶつひとり言を言いました。
こんなふうに:
とてもおかしい。(funny)
ハチミツがあったのは知っている (honey)
なぜなら、ラベルを貼っていたから (on)
たっぷりいっぱい入ったツボ (too)
どこにあるのかわからない (to)
どこに行ったのかわからない (gone)
おかしい (funny)
彼は歌うような調子で、3回つぶやきました。
その時、突然思い出しました。
ヘファランプを捕まえるために巧妙な罠の中に置いてきたんだ。
「チェッ!ヘファランプに親切にしようとしたからこうなったんだ。」彼はベッドに戻りました。
でも眠れませんでした。
眠ろうとすればするほど、眠れません。
彼は羊を数えてみました。
眠るのにいい方法なのです。
役にたたなかったので、ヘファランプを数えてみました。
ますます悪くなりました。
彼が数えたヘファランプがプーのハチミツのツボの所へ行き、全部食べているのです。
しばらく彼は惨めに横になっていましたが、587番目のヘファランプがツボを舐めて、「これはおいしい。これよりおいしいのは食べたことがない。」と言ったとき、プーはもう我慢できませんでした。
彼はベッドから飛び起きて、走って家を出て、まっすぐ6本の松の木の所へ行きました。
お日様はまだ眠っていました。
しかし、100エーカーの森の空は明るく、
目を覚まして服を脱ぎ捨てようとしているように見えました。
薄明かりの中で、松の木は冷たく孤独に見えました。
とても深い穴は実際より深く見えました。
底にあるプーのハチミツのツボはどこか神秘的で、ツボにはみえません。
しかし、近づいていくと、彼の鼻が確かにハチミツだと教えてくれました。
そして、舌を出して、口を舐めて、ハチミツを食べる準備ができました。
「チェッ!」プーは鼻をツボの中に入れた時、言いました。
「ヘファランプが食べている。」
彼は少し考えて、言いました。
「違う、ボクだった。忘れてた。」
実際、彼は大部分を食べてしまっていました。
しかし、ツボの1番下に少しだけ残っていたのを、彼は頭を突っ込んで舐め始めました。
やがて、ピグレットも目を覚まして、起きるや否や、「おっ!」と言いました。
それから勇敢に、「そうだった。」と言って、さらに勇敢に、「ほんとにそうだった。」と言いました。
しかし、彼はあまり勇敢だとは思いませんでした。
というのは、彼の頭を巡らしていた言葉は、「ヘファランプ」だったのです。
ヘファランプってどんなやつだろう?
獰猛だろうか?
口笛を吹いたら来るのかな?
どんなふうに来るんだろう?
ブタが好物だろうか?
もしブタが好物なら、ブタの種類で違いがあるだろうか?
ブタに獰猛だとしたら、TRESPASSERS WILLIAM というおじいちゃんを持っているかで違いがあるだろうか?
これらの疑問に対する答えは分かりませんでした。
そして今から約1時間後には、最初のへファランプに会うことになっていました。