Ch.2-1 「誰かいる?」ー「誰もいないよ。」

第2章 食べすぎたプーさんが穴につまるお話(1)

この章はラビットの家でごちそうになったプーさんが出口の穴に詰まり、1週間、詰まったままになるお話です。

 

(1)

友達にウィニー・ザ・プーとして知られているプーさんはある日、誇らしげにハミングしながら森を散歩していました。

彼はその日の朝、鏡の前で痩せる運動をしながら、ちょっとした歌を作っていました。
出来るだけ高くストレッチしながら、トゥラララ・トゥラララ

そしてつま先まで手を伸ばしながら、トゥララ、トゥララーアッ!助けて!ーラッ。
今では彼はきちんと歌えています。

それはこんな歌です。

トゥラララ・トゥラララ

トゥラララ・トゥラララ

ランタム・ティドゥランタム

ティドゥーリドゥル、ティドゥーリドゥル

ティドゥーリドゥル、ティドゥーリドゥル

ランタムタム、ティドゥラム

さて、プーさんがハミングしながら、他のみんなはどうしいるだろう、他の誰かになるってどんな感じだろうと思っていると、突然彼は砂の土手のところに出ました。

その土手には大きな穴がありました。

"Aha!" said Pooh. (Rum-tum-tiddle-um-tum.)"If I know anything about anything, that hole means Rabbit," he said, "and Rabbit means Company," he said, "and Company means Food and Listening-to-Me-Humming and such like. Rum-tum-tum-tiddle-um."

「あは!(ランタムティドゥラムタム)もしボクが何かを知っているなら、その穴はラビットだ。ラビットなら友達だ。そして友達といえば食べ物とかボクのハミングを聞いてくれるとかってことだ。ランタムタムティドゥラム」と、プーは言いました。

注)mean :意味する、~ということだ
注)company : 仲間、友達
注)such like :そのようなもの(前の語句を受ける代名詞)

それで彼は身をかがめて、穴の中に頭を入れて、叫びました。

"Is anybody at home?"
「誰かいる?」

突然あわてて走る音が穴の中から聞こえて、静かになりました。

"What I said was, 'Is anybody at home?' " called out Pooh very loudly.
「誰かいる?」って言ったんだよ。プーは大声で叫びました。

"No!" said a voice, and then added, "you needn't shout so loud. I heard you quite well the first time."
「誰もいない!」と声がして、「そんなに怒鳴らないでよ。初めから聞こえてるよ。」と、付け加えました

"Bother!" said Pooh. "Is there anybody here at all?"
「ちぇっ! ここには本当は誰かいるの?」と、プー。

loudly と loud
基本は、loudly が副詞で loud が形容詞です。でも loud が副詞として使われることがあります。その場合、loudly は「騒々しく」、loud は「聞こえるように大声で」という意味です。

注)add :付け加える
注)the first time :一回目で
注)Bother! : チェッ! (プーさんの口ぐせ)

"Nobody."
「誰もいないよ。」

プーさんは穴から頭を出して、ちょっと考えました。

誰かいるに違いない。『誰もいないよ』って言ったんだから。プーはそう考えて、再び穴の中に頭を入れて、言いました。

"Hallo, Rabbit, isn't that you?"
「やあ、ラビット。君じゃないの?」

"No," said Rabbit, in a different sort of voice this time.
「ボクじゃないよ。」今度は違った声でラビットは言いました。

"But isn't that Rabbit's voice?"
「でもラビットの声だよね?」

"I don't think so," said Rabbit. "It isn't meant to be."
「違うと思うよ。そんなはずない。」とラビットは言いました。

誰かいるに違いない
【原文】There must be somebody there.(そこに誰かいるに」ちがいない)
must は確率の高い推量、「~にちがいない」

注)a different sort of voice :違った種類の声
注)be meant to be : ~であることになっている、~のはずだ
 (否定になれば、「~であるはずがない」となります。)
 It isn't meant to be. : そんなはずない

"Oh!" said Pooh.
「あら!」とプーは言いました。

彼は穴から頭を出して、もう一度考えて、頭を戻して言いました。

"Well, could you very kindly tell me where Rabbit is?"
「よかったらラビットがどこにいるか教えてくれない?」

注)could you very kindly ~? : とても丁寧な依頼文です。
tell me where Rabbit is : ラビットがどこにいるか教える (間接疑問文)