
居留守と言えば、普通は明かりを消して、何も言わずにじっと相手が帰るのを待ちますが、ラビットは違います。「誰かいる?」に対して、「誰もいないよ。」と答えます。私はこの受け答えが大好きです。なぜなら、この後プーさんは「誰もいないのか。」と信じてしまいます。これこそ、「クマのプーさん」の世界だからです。

プー
Is anybody at home?
誰かいる?
(突然あわてて走る音が穴の中から聞こえて、静かになります。)

プー
What I said was, 'Is anybody at home?
『誰かいる?』って言ったんだよ。
(プーは大声で叫びます。)

ラビット
No! you needn't shout so loud. I heard you quite well the first time.
誰もいない!そんなに怒鳴らないでよ。初めから聞こえてるよ。

プー
Bother! Isn't there anybody here at all?
ちぇっ! ここには本当に誰もいないの?

ラビット
Nobody.
誰もいないよ。
ラビットは気難しいので、プーだと分かっていて、わざと居留守を使っているのでしょうか。何度もいいますが、このような会話が成立するところがまさにプーさんの世界だろうと思います。