Ch.20-4 彼は世界を見渡して、いつまでも続くことを願いました

第10章 魔法の場所にきてお別れ(4)

クリストファー・ロビンはプーを秘密の場所に連れて行き、二人だけでいろいろな話をします...

 

(4)

"I like that too," said Christopher Robin, "but what I like doing best is Nothing."
「ボクも好きだな。」クリストファー・ロビンは言いました。「でもボクが一番したいことは、何もしないことだ。」

"How do you do Nothing?" asked Pooh, after he had wondered for a long time.
「どうやって何もしないの?」プーは長い間考えて尋ねました。

"Well, it's when people call out at you just as you're going off to do it 'What are you going to do, Christopher Robin?' and you say 'Oh, nothing,' and then you go and do it."
「そうだね。ちょうど何かをしに出かけようとしているときに誰かが、『これから何をするの、クリストファー・ロビン?』と声をかけて、『いや、何も。』とか言って、それをしに行くみたいな。」

"Oh, I see," said Pooh.
「ああ、分かった。」プーは言いました。

"This is a nothing sort of thing that we're doing now."
「今ボクらがやっているようなことが何もしてないことだよ。」

"Oh, I see," said Pooh again.

「ああ、分かった。」プーは再び言いました。

"It means just going along, listening to all the things you can't hear, and not bothering."
「ただ出かけていって、聞こえないものに耳を傾けたり、じゃましたりしないという意味だね。」

"Oh!" said Pooh. 「おー!プー。」

「何もしない」ということ?
「プーさんの世界」の核心をついた表現だと思います。ミルンは「物語」の部分と「現実の世界」をうまく融合させて、「プーとの別れ」を描こうとしています。クリストファー・ロビンは「現実の世界」に戻ろうとしているのです。

注)I mean :~だという意味だ

彼らは歩き続けました。
あれこれ考えながら

そしてやがて『くぼ地』と呼ばれる森の頂上の素敵な場所にやって来ました。

そこは60本程の木が丸く固まっていて、クリストファー・ロビンはそこが素敵な場所だと知っていました。

なぜならその木が63本なのか64本なのか誰も数えることができなかったし、数えた木にヒモを結んでいっても、だめだったからです。

素敵だったのは、地面が、ハリエニシダやその他のシダ類、ヘザーの森とは違って、芝が密集して、静かでなめらかな緑だったのです。

そこは森の中で気楽に座れて、他の所のようにすぐに立ち上がって別の場所をさがす必要もない唯一の場所でした。

そこに座って、彼らは世界が空に届くまで広がっているのを見ることができました。

この世にあるすべてのものが『くぼ地』で彼らと一緒にいました。

注)あれこれ考えながら: 【原文】thinking of This and That

「すぐに立ち上がって別の場所をさがす必要もない」?
ある場所に座っても、居心地が悪く、すぐに別の場所を探す、といったことがなく、いつまでもそこに居たくなるような場所という意味です。

突然、クリストファー・ロビンはあることをプーに話し始めました。

『王様』とか『女王様』とか呼ばれる人たち,『係りの者』と呼ばれる人たち、『ヨーロッパ』と呼ばれる場所、船が来れない海の真ん中にある島、『吸い上げポンプ』の作り方(作りたい場合)、騎士が騎士たるとき、何がブラジルから来るか、などです。

そして、プーは60何本の木の一つにもたれて、腕を前で組んで『おー!』とか『知らなかった。』とか言って、人にものを教えれる本物の脳があったらどんなにいいだろうと考えていました。

そしてやがてクリストファー・ロビンの話が終わって、静かになると、彼は世界を見渡して、終わらないことを願いました。

しかし、プーも考えていて、突然、クリストファー・ロビンに言いました。

"Is it a very Grand thing to be an Afternoon, what you said?"
「キミが言った『午後』であるのはとても素晴らしい事だね?」

注)人にものを教えれる本物の脳があったらどんなにいいだろう:プーは物知りのクリストファー・ロビンをうらやましく思っています。

an Afternoon ?
プーはクリストファー・ロビンが言った『ナイト(騎士)』という言葉を、「night(夜)」と勘違いして『午後(afternoon)』といったのです

"A what?" said Christopher Robin lazily, as he listened to something else.
「何だって?」クリストファー・ロビンは、他のことに耳を傾けていたので、よく分かりませんでした。

"On a horse," explained Pooh.
「馬に乗った、」プーは説明しました。

"A Knight?"
騎士のこと?」

"Oh, was that it?" said Pooh. "I thought it was a-- Is it as Grand as a King and Factors and all the other things you said?"
「あっ、それだった?」プーは言いました。「ボクが思ってたのはーそれってキミが言ってた王や係りの者やその他のものと同じくらいすごいの?」

注)lazily :ぼんやりと
注)explain :説明する
注)I thought it was a -- :I thought it was a (night). 騎士が night(夜) と同じ発音なのでなので、「ボクは『午後』だと思ってた。」と言うつもりだったのでしょう

"Well, it's not as grand as a King," said Christopher Robin, and then, as Pooh seemed disappointed, he added quickly, "but it's grander than Factors."
「王様ほどすごくはない。」クリストファー・ロビンは言って、プーががっかりしたように見えてので、すぐに付け加えました。「でも係りの者よりすごいよ。」

"Could a Bear be one?"
「クマでもなれる?」

"Of course he could!" said Christopher Robin. "I'll make you one." And he took a stick and touched Pooh on the shoulder, and said, "Rise, Sir Pooh de Bear, most faithful of all my Knights."
「もちろんなれるさ。」クリストファー・ロビンは言いました。「ボクがキミを騎士にしてあげるよ。」そして彼は棒切れを持ってプーの肩に触れて言いました。「起きよ、クマのプー卿、我が騎士の中で最も忠誠なるものよ。」

注)disappointed :がっかりしている
注)I'll make you one :one は「騎士」のこと。ボクがキミを騎士にしてやろう
注)Rise, Sir Pooh de Bear :起きよ、クマのプー卿
注)faithful :忠誠な