Ch.20-3 イーヨーは勇気を出して話し始めました

第10章 魔法の場所にきてお別れ(3)

前回のあらすじ
イーヨーの「詩」はクリストファー・ロビンがどこへ行くのか誰にも分からない。詩は意外と難しい。韻がうまく決まらない、といった内容のもので、韻を無理に合わせようとして、文法も間違っていました。

 

(3)

"If anybody wants to clap," said Eeyore when he had read this, "now is the time to do it."
「もし誰か拍手したいなら、」イーヨーはこれを読んで言いました。「今がその時だよ。」

みんなが拍手しました。

"Thank you," said Eeyore. "Unexpected and gratifying, if a little lacking in Smack."
「ありがとう。」イーヨーは言いました。「予期せぬことで、喜ばしいことだ。ちょっと持ち味に欠けるけど。」

注)clap :拍手する
注)unexpected and gratifying : 予期しない、よろこばしい
注)be lacking in smack : 持ち味に欠けている

"It's much better than mine," said Pooh admiringly, and he really thought it is.
「ボクのよりずっといいよ。」プーは感心して言いました。そして本当にそうだと思いました。

much better ?
比較級を強める語 限定用法の前では much か far を用いるのが普通です。
This is much(far) better camera.
叙述用法では much, far, by far, far and away, a lot, still, a good deal, considerably 等が使われます。

注)admiringly : 感心して

"Well," explained Eeyore modestly, "it was meant to be."
「さて、」イーヨーは控えめに説明しました。「これが作られたのは、」

"The rissolution," said Rabbit, "is that we all sign it, and take it to Christopher Robin."
決議文というのは、」ラビットは言いました。「ボクらみんなサインするんだ。そしてクリストファー・ロビンのところへ持って行こう。」

注)explain :説明する
注)modestly :控えめに
注)rissolution : resolution(決議文)のこと

それで、PooH(プー)、WOL(アウル)、PIGLET(ピグレット)、EOR(イーヨー)、RABBIT(ラビット)、KANGA(カンガ)、BLOT(しみ)、SMUDGE(よごれ)、とサインがなされ、それを持ってクリストファー・ロビンの家に出かけた。

注)BLOT : しみ
注)SMUDGE : よごれ
(サインするために、みんなに紙を廻しているうちに、『しみ』や『よごれ』が付いて、それもサインの一部になった)

"Hallo, everybody," said Christopher Robin--"Hallo, Pooh."
「やあ、みんな、」クリストファー・ロビンは言いました。「やあ、プー。」

みんなも『やあ。』と言って、突然心配で不安になりました。

なぜならば『さよなら』と言っているようで、そうは思いたくなかったからです。

だから彼らはそこに立って、他の誰かが話すのを待ちました。

そしてお互いつつきあって、『さあ、言えよ。』とばかりに、次第にイーヨーが先頭に押しやられて、他のものは彼の後ろに集まりました。

"What is it, Eeyore?" asked Christopher Robin.
「何だい、イーヨー?」クリストファー・ロビンは尋ねました。

イーヨーは尻尾を端から端へヒューっと振って、勇気をだして、話始めました。

"Christopher Robin," he said, "we've come to say--to give you--it's called--written by-but we've all--because we've heard, I mean we all know--well, you see, it's--we--you--well, that, to put it as shortly as possible, is what it is."
「クリストファー・ロビン、」彼は言いました。「ボクたちは言いに来・・、キミにあげよ・・いわゆる・・書かれた・・でも、ボクたちー聞いたから・・つまり・・知ってる・・あの・・それは・・キミが・・あの・・簡単に言えば、そういうこと。」

注)イーヨーはしどろもどろになっています

He turned round angrily on the others and said, "Everybody crowds round so in this Forest. There's no Space. I never saw a more Spreading lot of animals in my life, and all in the wrong places. Can't you see that Christopher Robin wants to be alone? I'm going."
彼は怒ったようにみんなの方を向いて、言いました。「この森にこんなふうにみんなが集まる。スペースがなくなるだろ。生まれてこのかたこんなにたくさんの動物が広がってるのを見たことがないよ。みんな居場所が違ってる。わからないの?クリストファー・ロビンは一人になりたがっているんだ。ボクは帰る。」

注)turn round angrily on the others :怒ったようにみんなの方を向く
注)crowd :集まる
注)spreading : 広がって
注)in my life : 生まれてこのかた
注)in the wrong places : 間違った場所にいる
(みんながイーヨーの後ろに廻っていることを言っています)

そして彼は大急ぎで去って行きました。

なぜだかわからないまま、他のものもじわじわ去り始めて、クリストファー・ロビンが詩を読み終えて『ありがとう。』を言うために見上げた時、プーしか残っていませんでした。

"It's a comforting sort of thing to have," said Christopher Robin, folding up the paper, and putting it in his pocket. "Come on, Pooh," and he walked off quickly.
慰めになるものだね。」クリストファー・ロビンは紙をたたんで、ポケットに入れながら言いました。「おいで、プー。」彼は急いで歩き始めました。

注)comforting : 慰めになるような
注)folding up the paper :紙を折りたたむ

"Where are we going?" said Pooh, hurrying after him, and wondering whether it was to be an Explore or a What-shall-I-do-about-you-know-what.
「どこへ行くの?」急いで彼を追いかけながら、プーは言いました。そして探検なのか、それが何か分かったらどうしよう?といったものなのか、考えていました。

注)hurry after :急いで追いかける
注)What-shall-I-do-about-you-know-what : 例のあれのことはどうしよう

"Nowhere," said Christopher Robin.
「どこでもない。」クリストファー・ロビンは言いました。

それで、彼らはそこへ行き始めました。

しばらく歩いた後、クリストファー・ロビンは言いました。

"What do you like doing best in the world, Pooh?"
「この世で一番したいことは何、プー?」

"Well," said Pooh, "what I like best?" and then he had to stop and think.
「そうだね。」プーは言いました。「ボクがしたいこと?」彼はじっくり考え始めました。

注)stop and think : (立ち止まって)よく考える

なぜなら、ハチミツを食べるのはとてもいいことだけれども、それを食べ始める前にもっといい時間がありました。

でもそれが何というものか分かりませんでした。

それから彼はクリストファー・ロビンといるのもとてもいいことだと思ったし、ピグレットが近くにいることも楽しいことだし、いろいろ考えるとたくさんありました。

he said, "What I like best in the whole world is Me and Piglet going to see You, and You saying 'What about a little something?' and Me saying,' Well, I shouldn't mind a little something, should you, Piglet,' and it being a hummy sort of day outside, and birds singing."
彼は言いました。「この世で一番好きなことは、ボクとピグレットがキミに会いに行って、キミが、『何か食べる?』と言って、ボクが『ちょっとしたものが食べたいな、そうだろ、ピグレット?』って言うこと。外は歌でいっぱいの1日で、鳥が歌っているような。」

注)Me and Piglet going to see You :ボクとピグレットがキミに会いに行くこと(動名詞)

注)it being a hummy sort of day outside, and birds singing : 外はハミングの気分で、鳥がさえずっているような(分詞構文)