Ch.13-3 「きみがボクの上に落ちてきたんだ。」

第3章 捜索中、ヘファランプに遭遇するお話(3)

前回のあらすじ
プーは「スモール」がどんな動物かも分からなかったので、まず、ピグレットを探して、どんな動物か聞こうと思いました。ピグレットを探しているうちに、プーは突然、穴に落ちて、かん高い叫び声を聞きました。気が付くと、彼はピグレットの上に落ちていたのです。

 

(3)

"You fell on me," said Piglet, feeling himself all over.
「ボクの上に落ちてきたんだ。」体中をさわりながら、ピグレットは言いました。

"I didn't mean to," said Pooh sorrowfully.
そんなつもりじゃなかったんだ。」気の毒そうにプーは言いました。

注)feeling himself all over :体中をさわりながら
注)I didn't mean to : そんなつもりじゃなかった
注)sorrowfully : 気の毒そうに

"I didn't mean to be underneath," said Piglet sadly. "But I'm all right now, Pooh, and I am so glad it was you."
「ボクも下になるつもりはなかった。でももう大丈夫、プー。君で良かったよ。」ピグレットは悲しそうに言いました。

"What's happened?" said Pooh. "Where are we?"
「何があったの?ボクラはどこにいるの?」プーは言いました。

"I think we're in a sort of Pit. I was walking along, looking for somebody, and then suddenly I wasn't any more, and just when I got up to see where I was, something fell on me. And it was you."
落とし穴の中だろうと思う。誰かを探しながら歩いていたら、突然、もうそこにいなくて、どこだろうと起き上がったら、何かが落ちてきて、それがキミだったんだ。」

注)pit : 穴

"So it was," said Pooh.
そうらしいね。」プーは言いました。

"Yes," said Piglet. "Pooh," he went on nervously, and came a little closer, "do you think we're in a Trap?"
「そう。」ピグレットは言いました。「プー、ボクらはにかかったと思う?」落ち着かなく話を続けて、近づいてきました。

注)so it was : (前の文の念をおして)そうだった
注)nervously : 心配そうに
注)trap : 罠

プーはそのことはまったく考えていませんでしたが、頷きました。

というのは、突然以前ピグレットと二人でヘファランプを捉えようとプーの罠を作ったことがあったのを思い出したのです。

そして何が起こったのか分かりました。

彼とピグレットはプーを捕まえるためのヘファランプの罠にはまったのです。

そういうことだったのです。

"What happens when the Heffalump comes?" asked Piglet tremblingly, when he had heard the news.
「ヘファランプが来たらどうなるの?」ピグレットは震えて言いました。以前にその話を聞いたことがあったからです。

"Perhaps he won't notice you, Piglet," said Pooh encouragingly, "because you're a Very Small Animal."
「たぶん、キミには気付かないよ、ピグレット。」プーは励ますように言いました。「キミはとても小さいからね。」

"But he'll notice you, Pooh."
「でも、キミには気付くよ、プー。」

"He'll notice me, and I shall notice him," said Pooh, thinking it out. "We'll notice each other for a long time, and then he'll say: 'Ho-ho!'"
「ボクには気付くだろう。そしてボクも彼に気付く。」プーはよく考えて言いました。「ボクたちは長い間お互いに気付くだろう。そして彼は言う『ホーホー』と。」

注)tremblingly :震えるように
注)encouragingly :励ますように
注)each other :お互い

ピグレットはその『ホーホー』のことを考えて少し震えました。

そして彼の耳はピクピク動き始めました。

"W-what will you say?" he asked.
「キ、キミは何て言うの?」彼は尋ねました。

プーは何か言うことを考えようとしたが、考えれば考えるほど、ヘファランプが言うような声で発せられた『ホーホー』に対する適切な返事がないと思いました。

"I shan't say anything," said Pooh at last. "I shall just hum to myself, as if I was waiting for something."
「ボクは何も言わない。」とうとうプーは言いました。「ただ歌を歌うだけさ。何かを待っているように。」

"Then perhaps he'll say 'Ho-ho!' again?" suggested Piglet anxiously.
「じゃあ、彼はまた『ホーホー』って言わない?」ピグレットは心配して言いました

注)at last :とうとう、ついに
注)as if : まるで~かのように
注)suggest : 提案する

"He will," said Pooh.
「言うだろうね。」プーは言いました。

ピグレットの耳がピクピクと速く動いたのでそれを抑えるために、罠の壁に押し付けました。

"He will say it again," said Pooh, "and I shall go on humming. And that will Upset him. Because when you say 'Ho-ho!' twice, in a gloating sort of way, and the other person only hums, you suddenly find, just as you begin to say it the third time that --that--well, you find----"
「彼はもう一度言うだろう。でもボクは歌い続ける。すると彼はびっくりする。なぜなら満足そうに『ホーホー』って2回言っても相手がただ歌っているだけだったら、3回目をほら、言おうとして、気付くよ。」

注)upset : うろたえさせる
注)gloating : 得意げに

"What?"
「何に?」

"That it isn't," said Pooh.
「そうじゃないって。」プーは言いました。

"Isn't what?"
「何じゃないの?」

プーには言いたいことは分かっていましたが、頭が悪いクマだったので、言葉を思いつきませんでした。

"Well, it just isn't," he said again.
「つまり、そうじゃなくなるんだ。」彼は再び言いました。

"You mean it isn't ho-ho-ish any more?" said Piglet hopefully. 「
つまり『ホーホー』じゃなくなるってこと?」ピグレットは希望を持って言いました。

プーは感心して彼を見ました。

そして、まさしくその通りと言いました。

ずっと歌を歌い続けたらーもう『ホーホー』といつまでも言い続けることはできないだろ?