Ch.12-6 「これがティガーが好きなものだよ。」

第2章 ティガーが森に来て朝食を食べるお話(6)

前回のあらすじ
カンガの家に近づくと、そこにはクリストファー・ロビンもいました。ティガーがまだ朝食を食べていないことをカンガに告げると、棚を見て、好きなものを食べなさいと言ってくれました。プーも何か好物を見つけました。

 

(6)

But the more Tigger put his nose into this and his paw into that, the more things he found which Tiggers didn't like.
でも、ティガーがあれこれ鼻や手を置けば置くほど、見つけたものは嫌いなものばかりでした。

And when he had found everything in the cupboard, and couldn't eat any of it, he said to Kanga,
そして、棚の中を全部見て、何も食べることができなかったとき、彼はカンガに言いました。

“What happens now?” But Kanga and Christopher Robin and Piglet were all standing round Roo, watching him have his Extract of Malt.
「今度はどうしよう?」 しかし、カンガもクリストファー・ロビンもピグレットもルーの回りに立って、ルーがモルト・エキスを飲むのを見ていました。

And Roo was saying, “Must I?” and Kanga was saying “Now, Roo dear, you remember what you promised.”
そしてルーが「どうしても?」と言うと、カンガは「さあ、約束したでしょ?」と言っていまいた。

"What is it?" whispered Tigger to Piglet.
「それは何?」ティガーはピグレットにささやきました。

"His Strengthening Medicine," said Piglet. "He hates it."
「ルーの力をつける薬さ。彼はそれが嫌いなんだ。」ピグレットは言いました。

注)whisper :ささやく
注)Strengthen : チカラをつける
注)hate : 嫌い

それでティガーは近づいてきて、ルーのイスの背もたれごしに、突然舌を出して、大きくひと舐めすると、突然びっくりして飛び上がりました。

カンガは「まあ、」と言って、飲み込みかけたスプーンをつかんで、ティガーの口からスプーンを無事に取り出しました。

しかし、モルツ・エキスはなくなっていました。

【原文】

So Tigger came closer, and he leant over the back of Roo's chair, and suddenly he put out his tongue, and took one large golollop, and, with a sudden jump of surprise,

Kanga said, “Oh!” and then clutched at the spoon again just as it was disappearing, and pulled it safely back out of Tigger's mouth.

But the Extract of Malt had gone.

"Tigger dear!" said Kanga.
「ティガーったら。」カンガは言いました。

"He's taken my medicine, he's taken my medicine, he's taken my medicine!" sang Roo happily, thinking it was a tremendous joke.
「彼がボクのを取った。彼がボクの薬を取った。彼がボクの薬を取った。」ルーは嬉しそうに歌いました。そしてすごいジョークだと思いました。

すごいジョーク?
結局、ティガーの好物はルーが嫌いな「力の付く薬」でした。ルーが飲もうとしているその薬をティガーが取ったことをいっています。つまり、「薬を飲む」も「薬を取る」も take medicine だということです。

それからティガーは天井を見上げ、目を閉じて、残っているといけないので、口の回りを舌で舐めました。

顔に安心したような笑みを浮かべ、「これがティガーが好きなものだよ。」と言いました。

その後彼がいつもカンガの家に住んで、朝食や昼食、夕食、お茶の時間にモルト・エキスを食べるようになったのです。

そして時々、彼が力になるものを欲しがっているなとカンガが思ったとき、ルーの朝食の1さじか、2さじを食事の後に薬として飲ませました。

【原文】

Then Tigger looked up at the ceiling, and closed his eyes, and his tongue went round and round his chops, in case he had left any outside,

and a peaceful smile came over his face as he said, “So that's what Tiggers like!”

Which explains why he always lived at Kanga's house afterwards, and had Extract of Malt for breakfast, dinner, and tea.

And sometimes, when Kanga thought he wanted strengthening, he had a spoonful or two of Roosbreakfast after meals as medicine.

"But I think," said Piglet to Pooh, "that he's been strengthened quite enough."
「でも、思うんだけど、彼はもう十分にチカラはついているよね。」とピグレットはプーに言いました。

注)quite enough :もう十分に

 

~終わり~