Ch.12-2 「ティガーはハチミツが嫌い。」

第2章 ティガーが森に来て朝食を食べるお話(2)

プーさんは、初めて見る「ティガー」を家に泊めて、翌朝いっしょにハチミツを食べようとしますが...

 

(2)

プーさんが朝、目覚めると、ティガーがカガミの前に座って自分を見ているのが見えました。

"Hallo!" said Pooh.
「やあ!」とプーは言いました。

"Hallo!" said Tigger. "I've found somebody just like me. I thought I was the only one of them."
「おぅ!」ティガーは言いました。「ボクにそっくりな奴を見つけたんだ。ボクは一人だと思ってたんだけど。」

注)somebody just like me : 誰かボクにそっくりな誰か

プーはベッドから出て、カガミがどういうものか説明し始めました。

しかし、説明の面白い部分に差し掛かった時、ティガーは言いました。

"Excuse me a moment, but there's something climbing up your table," and with one loud Worraworraworraworraworra he jumped at the end of the tablecloth, pulled it to the ground, wrapped himself up in it three times, rolled to the other end of the room, and, after a terrible struggle, got his head into the daylight again, and said cheerfully: "Have I won?"
「ちょっと待って、テーブルに何かが這い上がってるよ。」そして、大きなワラワラワラワラと声に出して、テーブルクロスの端に飛びかかり、地面に引っ張り、グルグルと3回体に巻き付けました。そして、部屋の向こうまで転がって、格闘の末、ようやく頭を外に出すと、元気に言いました。「勝った?」

注)Excuse me a moment : ちょっと失礼
注)wrapped himself up : 自分をグルグルと包みこむ
注)after a terrible struggle : 格闘の末

"That's my tablecloth," said Pooh, as he began to unwind Tigger.
「ボクのテーブルクロスだよ。」プーはティガーからクロスを巻き戻しながら言いました。

"I wondered what it was," said Tigger.
「何だろうと思ったんだ。」ティガーは言いました。

"It goes on the table and you put things on it."
「テーブルの上に敷くものだよ。その上に物を置くんだ。」

"Then why did it try to bite me when I wasn't looking?"
「じゃあ、どうしてボクが見てない時にボクを噛もうとしたんだい?」

注)bite : 噛む テーブル・クロスの端がティガーに触れたのでしょう

"I don't think it did," said Pooh.
「噛もうとしたとは思わないけど。」プーは言いました。

"It tried," said Tigger, "but I was too quick for it."
「したよ。」ティガーは言いました。「でもボクのほうが早かったんだ。」

注)was too quick for : それに対して素早く備えた

プーはテーブルにクロスを戻し、その上に大きなハチミツの壺を置きました。

そして彼らは朝食を食べようと座りました。

彼らが座るとすぐに、ティガーは口一杯にハチミツを頬張り・・・頭を傾げて天井を見上げて、舌で探るような音を出し、次に考えるような音、そして何を食べたのだろうという音を出し・・・それからきっぱりと言いました。

"Tiggers don't like honey."
「ティガーはハチミツが嫌い。」

"Oh!" said Pooh, and tried to make it sound Sad and Regretful. "I thought they liked everything."
「おぅ!ティガーは何でも好きだと思ってた。」と、プーは悲しく、残念そうに言いました。

注)make it sound Sad and Regretful : 悲しく、残念そうに思わせる

“Everything except honey,” said Tigger.
「ハチミツ以外は何でも。」ティガーは言いました。

プーはこれを聞いてとても嬉しかった。

そしてプーが朝食を済ませたらピグレットの家に連れて行こう、ピグレットのどんぐりを食べれるよ、と言いました。

“Thank you, Pooh,” said Tigger, “because haycorns is really what Tiggers like best.”
「ありがとう、プー、どんぐりはティガーが一番好きなものだ。」と、ティガーは言いました。

注)except : ~を除いて、~以外
注)haycorns : プーさんは、acorns (どんぐり)のことを、haycorns と言っています

それで朝食後、彼らはピグレットに会いに行きました。

行きながらピグレットはとても小さい動物で、飛び跳ねるのが好きではないので、最初はあまり飛び跳ねないで欲しいとティガーにお願いしました。

するとティガーは、木の後ろに隠れて、プーの影が向こうを向いている時に、影の上をジャンプしていたのですが、ティガーが飛び跳ねるのは朝食の前だけで、どんぐりを食べたらすぐに大人しくなって上品になるんだ、と言いました。

それで、やがて彼らはピグレットの家のドアをノックしていました。

“Hallo, Pooh,” said Piglet.
「やあ、プー。」ピグレットは言いました。

“Hallo, Piglet. This is Tigger.”
「やあ、ピグレット。こちらはティガー。」

“Oh, is it?” said Piglet, and he edged round to the other side of the table. “I thought Tiggers were smaller than that.”
「おぅ、そうなの?」ピグレットは言って、テーブルの反対側のほうにじりじりと廻りました。「ティガーはもっと小さいかと思ってた。」

注)edged round to : のほうにじりじりと廻った

“Not the big ones,” said Tigger.
「大きいのは小さくないさ。」ティガーは言いました。

“They like haycorns,” said Pooh, “so that’s what we’ve come for, because poor Tigger hasn’t had any breakfast yet.”
「ティガーはどんぐりが好きなんだ。だからここに来たんだよ。かわいそうなティガーはまだ朝食を食べていないんだ。」プーは言いました。