Ch.11-5 つまり、その家は確かにここにあったの?

第1章 プー横丁にイーヨーの家が建つお話(5)

前回のあらすじ
イーヨーが「家」がなかったら、午前3時は寒いし、みんなが心配するだろうと思って、自分で「家」を建てていました。ところが、今朝出かけるときはあったのに、帰ってきたらなくなっていた、とクリストファー・ロビンに言いました。

 

(5)

クリストファー・ロビンはゆっくり考えることはしませんでした。

彼はすでに家に戻って、できるだけ速く、防水の帽子をかぶり、防水の長靴をはいて、防水のかっぱを身に着けました。

"We'll go and look for it at once," he called out to Eeyore.
すぐに家を探しに行こう。」彼はイーヨーに叫びました。

"Sometimes," said Eeyore, "when people have quite finished taking a person's house, there are one or two bits which they don't want and are rather glad for the person to take back, if you know what I mean. So I thought if we just went "
「時々。」イーヨーは言いました。「誰かが人の家を取ってしまった後には、いらないような棒切れが1つか2つあるものだよ。取られた人が取り戻して喜ぶように、言ってる意味分かるよね。だからもし行っても・・・」

注)at once :すぐに
注)finish ~ing : ~し終わる

"Come on," said Christopher Robin, and off they hurried, and in a very little time they got to the corner of the field by the side of the pine-wood, where Eeyore's house wasn't any longer.
「さあ、行こう。」クリストファー・ロビンは言いました。そして、二人は出かけました。すぐに彼らは、松の木のそばの広場のコーナーに着きました。そこにはもはやイーヨーの家はありませんでした。

"There!" said Eeyore. "Not a stick of it left! Of course, I've still got all this snow to do what I like with. One mustn't complain."
ほら!」イーヨーは言いました。「木切れ一つ残っていない。ただ、好きなことをするための雪があるだけ。文句は言えないけど。」

しかしクリストファー・ロビンは聞いていませんでした。

彼は他のことを聞いていたのです。

"Can't you hear it?" he asked.
「それが聞こえない?」彼は尋ねました。

"What is it? Somebody laughing?"
「それって何?誰かが笑っている?」

"Listen."
「聞いて。」

二人は耳をすませました・・・

注)in a very little time :すぐに
注)not any longer :もはや~ない
注)There! :ほら!
注)mustn't complain :文句を言ってはいけない

そして彼らは『雪が降れば降るほど、雪が降り続く』と歌っている間にティドリィ・ポムと小さな高い声がはさまれる深いどら声を聞きました。

"It's Pooh," said Christopher Robin excitedly.... "Possibly," said Eeyore.
「プーだ。」クリストファー・ロビンは興奮して言いました・・・「おそらく、」とイーヨーは言いました。

"And Piglet!" said Christopher Robin excitedly.
「それに、ピグレット!」クリストファー・ロビンは興奮して言いました。

"Probably," said Eeyore. "What we want is a Trained Bloodhound."
「おそらく、」とイーヨーは言いました。「ぼくらに必要なのは訓練された犬だね。」

注)excitedly :興奮して
注)possively :おそらく
注)Trained Bloodhound : (追跡するために)訓練された犬

突然、歌詞が変わりました。

"We've finished our HOUSE!" sang the gruff voice.
「家が完成だ!」どら声が歌いました。

"Tiddely pom!" sang the squeaky one.
「ティドリィ・ポム!」かん高い声が歌いました。

"It's a beautiful HOUSE . . ."
「きれいな家だ・・・」

"Tiddely pom . . ."
「ティドリィ・ポム・・・」

"I wish it were MINE . . ,"
「ぼくのだったらなあ・・・」

"Tiddely pom . . ."
「ティドリィ・ポム・・・」

"Pooh!" shouted Christopher Robin. . . .
「プー!」クリストファー・ロビンは叫びました。

門に腰掛けた歌い手たちは突然、歌うのを止めました。

注)gruff voice :どら声
注)squeaky one :かん高い声(one は voice )
注)I wish :~だったらなあ

"It's Christopher Robin!" said Pooh eagerly.
「クリストファー・ロビンだ。」プーは、はやる思いで言いました。

"He's round by the place where we got all those sticks from," said Piglet.
「彼は、ボクらが木切れを持って来たところあたりにいるよ。」ピグレットは言いました。

"Come on," said Pooh.
「行こう。」プーは言いました。

彼らは門から下りて、森のコーナーを廻って急ぎました。

プーは途中ずっと歓迎の声を上げていました。

"Why, here is Eeyore," said Pooh, when he had finished hugging Christopher Robin, and he nudged Piglet, and Piglet nudged him, and they thought to themselves what a lovely surprise they had got ready.
「あれ。イーヨーがいる。」プーは言いました。そして、彼がクリストファー・ロビンとハグを終えたて、彼がピグレットをつつき、ピグレットも彼をつつき、何という驚きが準備されているんだと思いました。

注)eagerly :はやる思いで
注)round by the place where we got all those sticks from :ボクらが木切れを持って来たところあたりに
注)nudge :つつく

"Hallo, Eeyore."
「やあ、イーヨー。」

"Same to you, Pooh Bear, and twice on Thursdays," said Eeyore gloomily.
「キミにもね、プー・ベア、木曜日は2回、『やあ』を言う」イーヨーは憂うつそうに言いました。

Before Pooh could say: "Why Thursdays?" Christopher Robin began to explain the sad story of Eeyore's Lost House. And Pooh and Piglet listened, and their eyes seemed to get bigger and bigger.
「どうして、木曜日?」とプーが言う前に、クリストファー・ロビンがイーヨーの失くなった家の悲しい話を説明しはじめました。そして、プーとピグレットは耳を傾けて、彼らの目がだんだん驚きで大きくなり始めました。

"Where did you say it was?" asked Pooh.
「家はどこにあったと言ったの?」プーは尋ねました。

"Just here," said Eeyore.
「ちょうどここだよ。」イーヨーは言いました。

"Made of sticks?"
「木切れでできてた?」

"Yes."
「そう。」

"Oh!" said Piglet.
「おう!」ピグレットは言いました。

"What?" said Eeyore.
「どうしたの?」イーヨーは言いました。

注)gloomily :憂うつそうに
注)explain :説明する

"I just said 'Oh!'" said Piglet nervously. And so as to seem quite at ease he hummed Tiddely-pom once or twice in a what-shall-we-do-now kind of way.
「ただ『おう!』と言っただけだよ。」ピグレットは心配そうに言いました。そしてとても落ち着いているようにみせるために、彼はどうしようかといった風に、ティドリィ・ポムを1度か2度歌いました。

"You're sure it was a house?" said Pooh. "I mean, you're sure the house was just here?"
「確かに家だったの?」プーは言いました。「つまり、その家は確かにここにあったの?」

"Of course I am," said Eeyore. And he murmured to himself, "No brain at all, some of them."
「もちろん確かさ。」イーヨーは言いました。そしてぶつぶつつぶやきました。「まったく何も考えないんだから、そういう連中は。」

注)nervously :心配そうに
注)so as to seem quite at ease :とても落ち着いているようにみせるために
注)I mean :つまり
注)murmur :つぶやく