Ch.11-1 時計は数週間前から10時55分のままでした

第1章 プー横丁にイーヨーの家が建つお話(1)

プーさんはピグレットに会いに行きますが、あいにく留守だったので、家に戻る途中、歌を作りました...

 

(1)

ある日プーが何もすることがなく、何かしようと考えて、ピグレットが何してるのか、確かめようと、ピグレットの家に行きました。

白い森の道を歩いていたときはまだ雪が降っていました。

そして彼は暖炉の前でピグレットが足を暖めていると思っていましたが、驚いたことに、玄関は開いていて、中をのぞけば、のぞくほどピグレットはいませんでした。

「驚いたことに」?
【原文】では to his surprise となっています。これは前置詞+名詞が文全体にかかる用法で、通常、to one's + 感情名詞の形になります。
例)to my joy(喜んだことに)、to my disappointment(がっかりしたことに)など。

"He's out," said Pooh sadly. "That's what it is. He's not in. I shall have to go a fast Thinking Walk by myself. Bother!"
「彼はいない。」プーは淋しそうに言いました。「絶対そうだ。彼はいない。また一人でじっくり考え事をしながら早足で歩くのか、ちぇ!

注)That's what it is : そういうことか
注)a fast Thinking Walk by myself : fast は「じっくり」と「速く」の意味があり、think と walk にかかっています

でも、本当にいないのか確かめようと、大きくノックしてみました。

ピグレットの返事がないのを待ちながら、体を暖めようと、ぴょんぴょん飛んでいると、突然歌が頭に浮かんできました。それはみんなに希望を与えるような「いい歌」のように思えたのです''。

The more it snows
(Tiddely pom),
雪が降れば降るほど
(ティドゥリ ポム)

The more it goes
(Tiddely pom),
どんどん
(ティドゥリ ポム)

The more it goes
(Tiddely pom),
どんどん
(ティドゥリ ポム)

On snowing.
雪が降る

And nobody knows
(Tiddely pom),
誰も知らない
(ティドゥリ ポム)

How cold my toes
(Tiddely pom),
ボクの足が
(ティドゥリ ポム)

How cold my toes
(Tiddely pom),
ボクの足が
(ティドゥリ ポム)

Are growing
冷たくなっていることを

注)snows / goes / knows / toes が韻を踏んでいます。なお、snowing と growing も韻を踏んでいます。

"So what I'll do," said Pooh, "is I'll do this. I'll just go home first and see what the time is, and perhaps I'll put a muffler round my neck, and then I'll go and see Eeyore and sing it to him."
「じゃあ、ボクがすべきことは、これだな。まず家に帰って、何時か確かめよう。そして、首にマフラーを巻いて、イーヨーの所に行って、彼に歌ってやろう。」プーは言いました。

彼は急いで家に戻る途中、頭の中はイーヨーに歌ってやる歌で忙しく、彼の一番いいアームチェアにピグレットが座っているのを突然見た時、彼はただ頭を掻きながらそこに立って、誰の家にいるんだろうと考えました。

"Hallo, Piglet," he said. "I thought you were out."
「やあ、ピグレット。君は出かけてると思ってたよ。」彼は言いました。

"No," said Piglet, it's you who were out, Pooh."
「違うよ。出かけていたのは君の方だ。」ピグレットは言いました。

注)I thought you were out. :キミは出かけていると思ってた。(時制の一致)

注)it's you who were out. :出かけていたのはキミのほうだよ。(強調構文

"So it was," said Pooh, "I knew one of us was."
そうだった。ぼくらのどちらかが出かけてたんだ。」プーは言いました。

彼は時計を見上げました。数週間前から10時55分のままでした。

"Nearly eleven o'clock," said Pooh happily.
もうすぐ、11時だ。」彼は嬉しそうに言いました。

"You're just in time for a little smackerel of something," and he put his head into the cupboard.
ちょっとした美味しいものを食べる時間に間に合ってよかったね。」彼は戸棚に頭を突っ込みました。

注)so it was :そうだった
注)nearly eleven o'clock :もう11時だ
注)in time for :~に間に合う
注)a little smackerel of something : プーの造語で「ちょっとした美味しいもの」
注)cupboard :戸棚

"And then we'll go out, Piglet, and sing my song to Eeyore."
「それから、出かけよう、ピグレット、イーヨーにボクの歌を歌ってあげよう。」

"Which song, Pooh?"
「プー、どの歌?」

"The one we're going to sing to Eeyore," explained Pooh.
「これからイーヨーに歌ってあげる歌だよ。」プーは説明しました

プーとピグレットが30分後に出かけた時、時計はまだ10時55分を指していました。

風はやみ、雪は追いかけっこをしながら走り回るのに疲れ、今は緩やかにひらひらと舞い、休む場所を見つけていました。

ときにプーの鼻の上だったり、そうでなかったり、しばらくするとピグレットは首の回りに白いマフラーを身に着け、耳の後ろに以前よりも雪を感じるようになっていました。

注)explain :説明する

「風はやみ、・・・」以下
この物語の中に、とても詩的な状況描写が出てきますが、この部分もその1つです。【原文】では次のようになっています。
The wind had dropped, and the snow, tired of rushing round in circles trying to catch itself up, now fluttered gently down until it found a place on which to rest, and sometimes the place was Pooh's nose and sometimes it wasn't, and in a little while Piglet was wearing a white muffler round his neck and feeling more snowy behind the ears than he had ever felt before.