Ch.10-1 勇敢なプーのためにパーティが開かれます

前回のあらすじ
この章では洪水で取り残されたピグレットを勇敢にもプーさんが救出に向かったその功績に対して、クリストファー・ロビンはパーティをひらき、みんなは「さよなら」を言います。

One day when the sun had come back over the Forest,
ある日、森に太陽が戻ってきました。

bringing with it the scent of May, and all the streams of the Forest were tinkling happily to find themselves their own pretty shape again,
そして、一緒に5月の香りを運んで、森の小川は楽しそうにチロチロと流れ、再び小川のきれいな形を取り戻していました

情景の描写がすごい!
ミルンは詩人です。この物語の中にこのような美しい情景描写がいくつもあります。
この部分の原文は上のようになっています。

注)tinkling :(鈴のように)チリンチリンと鳴る
注)find themselves their own pretty shape again :再び小川のきれいな形をしているのに気づく
(洪水で小川の形が崩れていたのが水が引いて再び小川の形に戻ったこと)

and the little pools lay dreaming of the life they had seen and the big things they had done, and in the warmth and quiet of the Forest the cuckoo was trying over his voice carefully and listening to see if he liked it,
小さな水たまりは自分が経験した人生と、自分たちがした大きなことを夢見ながら横たわり、森の暖かさと静けさの中で、カッコーは注意深く喉を鳴らして、これでいいかどうか耳で聞いていました。

注)自分たちがした大きなこと:洪水を引き起こして、大きな迷惑をかけたこと。

and wood-pigeons were complaining gently to themselves in their lazy comfortable way that it was the other fellow's fault, but it didn't matter very much;
森の鳩たちは静かに、ゆっくりと落ち着いた様子でお互いに、お前が悪いんだ、と不平を言っていましたが、大した問題ではありませんでした。

on such a day as Christofer Robin whistled in a special way he had, and Owl came flying out of the Hundred Acre Wood to see what was wanted.
そんな日に、クリストファー・ロビンは彼の特別なやり方で口笛を吹き、アウルが「100エーカーの森」から何か用があるかを確かめるためにやって来ました。

 

"Owl," said Christofer Robin, "I am going to give a party."
「アウル、パーティを開くよ。」クリストファー・ロビンは言いました。

"You are, are you?" said Owl.
「そうなの?」アウルは言いました。

"And it's to be a special sort of party, because it's because of what Pooh did when he did what he did to save Piglet from the flood."''
「特別なパーティになるよ。ピグレットを洪水から救い出すためにプーがやるべきことをやるべき時にときにやったからね。」

注)it's to be : (それは)当然~になるはずだ
注)flood : 洪水

"Oh, that's what it's for, is it?" said Owl.
「そのためにパーティをひらくんだね。」アウルは言いました。

"Yes, so will you tell Pooh as quickly as you can, and all the others, because it will be tomorrow."
「そう、だからできるだけ早く、プーに知らせて。他の者にも。パーティは明日だからね。」

"Oh, it will, will it?" said Owl, still being as helpful as possible.
「そうなの?」アウルは言って、できるだけ役に立とうとしました。

"So will you go and tell them, Owl?"
「だからみんなに伝えてくれないか、アウル?」

Owl tried to think of something very wise to say, but couldn't, so he flew off to tell the others.
アウルは何か気の利いたことを言おうと考えたけれど、できませんでした。
アウルはみんなに伝えるために飛んでいきました。

注)that's what it's for :それ(パーティ)はそのためのもの
注)as quickly as you can :できるだけ早く
注)as helpful as possible :できるだけ役に立つ

And the first person he told was Pooh.
彼が最初に話したのはプーでした。

"Pooh, " he said, "Christofer Robin is giving a party."
「プー、クリストファー・ロビンがパーティを開くんだって。」彼は言いました。

"Oh!" said Pooh. And then seeing that Owl expected him to say something else, he said, "Will there be those little cake things with pink sugar icing?"
「おぅ!」とプーは言った。そして、プーが何か他のことを言うのをアウルが期待していることが分かったので、「ピンクの砂糖がかかったケーキのようなものがあるかな?」と言いました。

注)seeing that ~ : ~ということが分かって

Owl felt that it was rather beneath him to talk about little cake things with pink sugar icing, so he told Pooh exactly what Christofer Robin had said, and flew off to Eeyore.
アウルはピンクの砂糖がかかったケーキのようなものの話をするのはくだらないと思い、クリストファー・ロビンが言ったことを正確に伝えて、イーヨーの所に飛んでいきました。

"A party for Me?" thought Pooh to himself. "How grand!"
「ボクのためにパーティ?すごい!」プーは思いました。

And he began to wonder if all the other animals would know that it was a special Pooh Party,
そして彼は、プーのための特別なパーティだということを、みんなは知ってるのだろうかと思い始めました。

and if Christofer Robin had told them about The Floating Bear and The Brain of Pooh and all the wonderful ships he had invented and sailed on,
そしてクリストファー・ロビンは「浮かぶクマ号」や「プーの頭脳号」や彼が発明して乗った素晴らしい船のことをみんなに紹介してくれるのかなと思いました。

and he began to think how awful it would be if everybody had forgotten about it, and nobody quite knew what the party was for;
そして、もしみんながもう忘れてしまって、何のためのパーティかまったく知らなかったらイヤだなと思い始めました。

and the more he thought like this, the more the party got muddled in his mind, like a dream when nothing goes right.
こんなふうに考えれば考えるほど、頭の中がごちゃごちゃになって、何もかも上手く行かないときの夢のような感じでした。

And the dream began to sing itself over in his head until it became a sort of song. It was an
そして、頭のなかでその夢が歌いだして、1つの歌になりました・・・それは

 


続きはこちらです。

 

 

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