他動詞とは「何かを(相手に)与える」動詞のこと
中学校で出てくる単語に、「interest」というのがあります。
実はこれが「他動詞」で、少しやっかいなのです。
実際の使用例としては、
interesting (現在分詞)
interested (過去分詞) と形をかえて、
いずれも「形容詞」として使われる場合が多いです。
「interest」が他動詞だということは、
A→ interest(興味を与える)→ Bすなわち、A は「興味」を与えるもの、B は「興味」を与えられるもの、ということです。
現在分詞は「能動」、過去分詞は「受動」の意味があるので、
interesting の主語は「興味を与えるもの」
interested の主語は「興味を与えられるもの」
となります。
This book is interesting to me.
この本は私にとって面白い
(この本は私に興味を与えてくれる)
I am interested in this book.
私はこの本に興味がある
(私はこの本に興味を与えられている)
となります。
bore も、「退屈させる」という意味の他動詞です。
I am boring.
I am bored.
どちらも正しい英文ですが、意味が違います。。
bore の現在分詞、boring は「退屈を与える」という意味で、
過去分詞の bored は「退屈を与えられている」という意味です。
従って、
I am boring. は
私が誰かを退屈させている、
I am bored. は
何かが私を退屈させている、つまり
私が退屈している、という意味になります。
「私は退屈だ。」と言いたければ、
I am bored.
と言わなければなりません。
interest や bore に似た他動詞
英語にはこのような他動詞がたくさんあって、日本人の英語学習を難しくしています。
中学レベルでは、
- excite(わくわくさせる、興奮させる)
- tire(疲れさせる、うんざりさせる)
- disappoint(失望させる、がっかりさせる)
- move(感動させる)
- please(喜ばせる)
- relax(楽にさせる、くつろがせる)
- satisfy(満足させる)
- surprise(驚かせる)
これらはすべて他動詞です。
最後に
pleasant(愉快な、楽しい)という語がありますが、この単語の元になっているのは、please(喜ばせる)という意味の「他動詞」です。
ゆえに、pleasant という形容詞も「他動詞」の意味が含まれています。
「私は楽しい」という意味で、I am pleasant. というのは間違いです。
pleasant は「人を主語」に使った場合、「その人がみんなを愉快にする」という意味になります。
He is pleasant.
彼は(人間的な意味で)感じがいい。
「彼が周りの人に好感を与えている」という意味です。
「私は楽しい」と言いたければ、
I am pleased. と言いましょう。